ハツカネズミの成獣(体長 約6~10cm)

ハツカネズミの成獣(体長 約6~10cm)

1.ハツカネズミの特徴・生態・発生箇所

1-1.見た目の特徴・生態

ハツカネズミの成獣は体長約6~10cmとドブネズミやクマネズミに比べて小さく、毛色は灰褐色をしています。
繁殖能力が非常に高く、生後わずか35日で繁殖を始め、1頭が一度に約6頭の子ネズミを出産します。この分娩を年間に約6~10回繰り返します。寿命は約1~1.5年です。一度建物に住み着いてしまうと完全駆除は容易ではないため、専門性を要します。

1-2.発生時期

10月~3月の寒い時期にかけて発生し、1月~2月の真冬には発生がピークとなります。

1-3.主に郊外に生息し、建物の狭い隙間から侵入

ハツカネズミは主に郊外地域で発生するケースが多く、普段は草むらや畑、雑木林に潜み、寒さをしのぐためやエサを求めて建物内へ侵入します。
食品販売店や飲食店等では、客用出入口のドアのすき間や、シャッターと床のすき間などから店内へ侵入するケースが多くあります。

2.ハツカネズミの有害性と被害

2-1.食材や商品をあさり、経済的損失をもたらす

ネズミはエサを求めて厨房や店頭、食材庫、倉庫などの食材、商品をあさります。精米や小麦粉、パン粉、肉類などが被害に合うことが多いです。

2-2.病原菌などの感染症を媒介

ネズミはサルモネラ症、レプトスピラ症(ワイル病)、ツツガムシ病、鼠咬症(そこうしょう)など、食中毒をはじめとする感染症を媒介します。

・サルモネラ症

ネズミの糞尿中のサルモネラ菌が食品に接して増殖し、これを飲食することで腹痛・下痢・発熱などの症状を引き起こす急性胃腸炎などの食中毒を発症します。

・レプトスピラ症(ワイル病)

ネズミの尿から排泄されたレプトスピラ属の菌が水田や下水などに入り、そこに触れた人の皮膚の傷口などを通じて感染します。1~2週間の潜伏期間後、高熱、黄疸(おうだん)、筋肉痛、場合によっては視力障害を起こすことがあります。

・ツツガムシ病

ネズミに寄生するツツガムシというダニに刺されることで、リケッチア属の細菌が媒介されて発症する病気です。1~2週間の潜伏期間後、高熱を発します。刺された箇所は潰瘍となって全身にも発疹が出ます。治療が遅れると播種性血管内凝固を起こすことがあり、致死率が高まります

・鼠咬症(そこうしょう)

ネズミに直接咬まれることでネズミの口腔内に常在する病原体(モニリホルムレンサ桿菌、鼠咬症スピリルム)が感染して引き起こされる病気です。5~14日の潜伏期間後、悪寒、発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛、リンパ節の炎症、全身の発疹を発症します。

2-3.施設や設備を破壊する

ネズミは伸びてくる歯を削るために食べ物以外にも物をかじる習性があります。石膏でできた壁や電信配線、ガスホースなどはかじられすいため注意が必要です。内壁に穴を開けられると、新たなネズミの侵入口となります。また、配線やガスホースをかじられると火災発生のリスクが高まるため、必ず防ぐ必要があります。

2-4.不快感・風評被害・営業停止処分を招くリスク

ネズミのにおい、排泄物、あるいはネズミ自体が目に付くことで、顧客に不快感を与えることはいうまでもありません。また、このような状況が風評被害を招き、結果的に大きな経済的損失につながる可能性もあります。衛生状況によっては行政による営業停止処分を招くリスクもあります。

3.ハツカネズミの効果的な駆除方法と予防対策

3-1.侵入口を正確に特定する

ハツカネズミを駆除するには、まずは侵入口を特定する必要があります。
ただし、ハツカネズミは非常に小さなすき間から建物内に侵入することができるため、シャッター、出入り口、通風孔のすき間など、あらゆる箇所が侵入口となる可能性があります。そのため、決定的な侵入口を特定するには専門性を要します
効果的に駆除するには、まずは侵入口を正確に特定することが重要です。

日本防疫では、専門の技術者がハツカネズミの侵入経路を調査することができます。どうぞお気軽にご相談ください。

3-2.粘着トラップと殺鼠剤よる駆除が効果的

ハツカネズミは、ドブネズミやクマネズミとは異なり、体格が小さく、学習能力が劣ります。そのため、粘着トラップ(捕獲罠)と殺鼠剤を設置することで駆除することができます。

ただし、確実に駆除するには、ハツカネズミの行動経路を正確に見極めてこれらを設置する技術が必要です。また、ハツカネズミは繁殖能力が高いため、群れを完全に駆除できているかどうか、効果を正確に観測できる視点もとても重要となります。

3-3.建物に侵入させない

ハツカネズミの新たな侵入を防ぐため、ドアやシャッターは開け放しに気を付けましょう。また、ドアやシャッターを閉めても地面との間に目安として約1.5㎝以上のすき間ができている場合はゴムやスポンジですき間を塞ぎましょう

日本防疫では、侵入を防ぐ対策として、忌避剤(ネズミが嫌がる薬)の塗布も併せて実施させていただきます。

3-4.ネズミを寄せ付けない

ネズミはエサを探して施設内に侵入します。施設内にエサとなる食品カスなどのゴミは放置されていませんか?日々の清掃もとても大切です。

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